坂本企画【2019年12月】

坂本企画

坂本企画16 セ ニ ハ ラ ヲ

僕は いつからこの街にいて いつまでこの街にいるのか 知らなかった──まだ

いま、曖昧で優しい物語が観たい。右を向いても左を向いても、対面した顔に非難される世の中は、しかし、右も左も正面も後ろも向かないことを許容してくれる世の中ではなくなってしまった。走れども走れども追い越される時代には、もはや立ち止まることは許されなくなってしまった。生きることは苦痛だ。それは間違いない。だからこそ、舞台の上で極上の喜びを見せることもできるだろう。あるいは、より一層の地獄を見せつけることもできるだろう。はちみつをぶっかければ甘くなり、唐辛子をまぶせば辛くなる。ときにはそんな不摂生も楽しみたくなる。しかし、今日はもう疲れたのだ。目を閉じ、耳をふさぎ、寒くも暑くもない部屋で一人でゆっくり食事を取りたいのだ。
そんなときに、食べたいものはなにか。甘過ぎず辛すぎず、しかし、たしかに美味しいもの。それは、おそらく、得られる刺激に対して労力があまりにも大きな料理になるだろう。例えば、何時間もかけてゆっくり火を入れられたスープのような。そんな芝居がいま、観たい。そして、そんな芝居を、今あなたが求めているということ自体を、芝居にしたい。──これはきっと、あなたのための物語になるだろう。

脚本・演出

  • 坂本涼平

出演

  • 江戸ハレ
  • 小野村優
  • 荘司歩美
  • 中野聡(宇宙ビール)
  • 成瀬トモヒロ(ナルセケ)
  • 三浦求(ポータブル・シアター) 他

日時

2019年12月27日(金)~29日(日)

  • 27日(金)19:30~
  • 28日(土)11:30~/15:30~/19:30~
  • 29日(日)11:30~/15:30~

料金

  • 一般前売¥3,500
  • 学生前売¥1,000
  • 当日¥500 増
  • 應典院寺町倶楽部会員前売¥3,000(要会員証提示)
ご予約

お問い合わせ

坂本企画 Profile

ほんの少し、ボタンを掛け違った人間の悲劇に寄り添う坂本企画。「誰にも教えたくない」「女性が書いているのかと思った」「ただただ悲しく美しい」などと公演アンケート等で評される「静かな」演劇を得意とする坂本企画。やむにやまれぬ願いのために間違いを犯す人間を、それでも肯定的に見つめる物語で年齢を問わぬファンを獲得。

関西学院大学劇研究部出身の坂本涼平(さかもと りょうへい)によって2009年立ち上げ。公演ごとに俳優やスタッフを募るスタイルで活動。

現在までに番外公演を除く14の本公演を行い、第10回公演ではロクソドンタブラック(現Oval Theatre)主催「ロクソアワード2012」スタッフワーク部門最優秀賞、演出部門三位、総合三位受賞。

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