SDN2019稽古場探訪③-1 劇団いちびり一家

稽古場訪問2019
稽古場探訪2019

ステージタイガーの虎本です。

劇団いちびり一家の稽古場を探訪して参りました!

稽古場の扉を開けると、技術スタッフに見せる為の長回し稽古の時間!

運よく、上演される『ゴロニャーゴ』の全容を観る事が出来ました。

本作は安部公房の『密会』をモチーフとし、

ある男が
妻の行方を探しに病院に

…という話なのですが。

あれ、唄うぞ?

踊るぞ!?

劇中に生演奏があり、作り込まれた見せ場と場面転換が続きます。

かと思えば台詞のやりとりは日常。
そして叙情的。
つかみ所がなく
5W1Hが崩れだし
なんだか
自分が
どこで
何を
観ているのか。

まさに
今が 

嘘か誠か。
夢か幻か。

わからなくなります。

しかし最後には、
劇団員曰く
「いちびり一家では初めてかも知れない○○シーン!?」が…。

妻帯者の僕にはギュッとなるシーンが展開されました。

『僕には』愛の物語に見えました。

老舗劇団ならではの骨太に積み上げられた演劇を観ました。

あ。

『僕には』といったのは、
劇団いちびり一家の作品は観た人により大きく評価がわかれるそうで、

無言で劇場を足早に去る観客もおられれば

深く考察しアンケートを埋め尽くす方もおられるとか。

観た後、傷つくのか、頭をかしげるのか、涙を流すのか。

この物語であなたは何を見いだすのか、僕は聴いてみたい。

稽古終わりには演出の阪上さんから丁寧にして、シビアなダメ出しの時間が。作品が目指すものを全員でシェア。
勢いやテンション、雰囲気…というものに頼るのではなく、しっかりと目的と着地点をもって次の稽古に挑む。

こういうの、大好きです。

解釈をお客様に任せる イコール
自分たちが何も考えずに放り投げているわけではありません。

これから美術、音、光、そして生演奏が加わり、劇場でどんな世界が広がるのか、楽しみになりました。

ちなみに…猫はそんなに出ません!

タイトルとチラシから、キャッツ的なものを想像していたあなた! 僕と一緒です!

ステージタイガー

虎本剛