やられたぜ。
まともなヤツなんて一人もいねぇ。
田舎 is HELL!!
…っ!
すいません。
ステージタイガーの虎本です。
劇団不労社の「忘れちまった生きものが、」の稽古場を探訪、通し稽古を見させて頂きました。
やられましたね。見終わったときの感想が冒頭の3行に凝縮されています。
ええ、凄い作品です。凄い若手達がいたもんだ。
見事に心をつかまれました。
この稽古場探訪ブログで、その顛末をお伝えしたいと思います。
—–
まず稽古場は某和室。
めっちゃ散らかっとるやんけ!
と思いきや…これが重要な装置。
とある地方の限界集落。
民泊として稼働する民家が舞台なのです。
物語の始まりもポイントです。凄い始まり方をします。
この民泊を経営する、限界集落に引っ越してきた3兄弟。
そこに訪ねてくる客や、3兄弟を村八分にしようとする村人達を中心に話は進むのですが…。
訪ねてくる親戚が変。
客も変。
村人が変。
ルールも変。
まともだと思っていた人もやっぱり変で、何が常識でモラルなのか分からなくなります。
怖いんです。
いつ人が死んでもおかしくないような雰囲気が常に流れている気がします。でもね。
怖いのに笑う。
僕、通し稽古見ながらずっと笑ってました。
俳優の「変な人」の演技が異様に上手く、ナチュラル。
そして「こんな人たちと絶対友達になりたくない」と思いました。
言葉のチョイスも秀逸で、あれよあれよと引き込まれます。
狂った人たちが皆で鍋を囲み
それぞれの時間を過ごします。
あ…『それぞれ』という言葉を使いましたが、
この作品、
同時進行で色んな会話が行われます。
某著名な作演出家の手法のような…。でもそれが実に心地よく、また不気味。
これ、劇場で美術が組まれて、各効果が加わったらどう見えるのだろう。
楽しみでしかありません。
思わず作家の西田君に『長塚さんやケラさんの作品を初めて観た時と同じ衝撃を受けたよ』と感想を伝えました。
性と暴力と人間の暗部に溢れ、はっきり言って、
應典院というお寺に対し喧嘩売ってツバはくような作品だと思いますが、
好きなだけやってやれ!
と僕は思う。
それだけの価値を持った作品だと思います。
皆様、見るべし。
ステージタイガー
虎本剛