ステージタイガーの虎本です。
MEHEM vol.6『鐡の夢果て』の稽古場を探訪してきました。
※クロガネノユメハテ
本番1週間前、細部を詰める俳優達。
虎本、いきなり焦りましたよ。
『おい待て』と。
『俳優、お客様にお尻向けとるやないか!』と。
いや、違うんです。
これで正解なんです。
つまりは、僕が見ている向きだけが客席じゃない。
カタカナの『コ』の字型
つまり
3方向囲み舞台
なんですね。
ごめんね、永田。
あ、演出家を呼び捨てにするのは、彼女が僕の大学の後輩にあたるからなんです。関西大学の演劇サークル『万絵巻』のOBが僕、OGが永田。
※年齢は一回り以上離れております。
僕を意識してくれてか、演出のダメの随所随所に「万絵巻流」みたいな言葉がネタ的に出てきますが、いえいえ。
立派に「永田流」と言える作りをされています。
ともすれば混乱しがちな囲み舞台を
演出の的確な指示のもと、極めてロジカルに修正していきます。
「カウントを6から4に変更」
「もっと角度を揃えて」
など、『音』と『画』に拘った演出が垣間見えます。
格好いい音楽と、格好いい俳優が、格好いい動きをしつつ、いかに観易い表現が出来るか。時に艶やかに、時にアクロバティックに、トライ&エラーを繰り返します。
ちょうど僕が見たシーンは通称「歯車」と呼ばれるシーンらしく。
いかに俳優が回転する動きを魅せられるか皆で検討しておられました。
歯車…そう、チラシのデザインにも歯車が書かれていますね。
3方囲みと言いましたが、應典院は円形のスペース。
どうやら『歯車』が一つのキーポイントになりそうです。
演出の俳優への接し方は極めてフランク。
作品にも、ダメ出しの最中にも笑いが溢れています。
上下も先輩後輩も役割も無く横一線。
きっとそれはMEHEMが特定のメンバーを持たず、公演毎に役者を募るプロデュース形式の公演を重ねてきているからこそ出る空気感なのだと思います。それによって生まれるアイディアを演出が外から整理し言葉に変えて行く。あと1週間でさらに磨きがかかるでしょう。
創作意欲に溢れたええ後輩をもったもんや…と涙を拭いながらそっと帰り支度を始めた僕の耳に、気になる言葉が。
こっちが『スチームパンクの世界』で、『現実世界』はこっちで…
ナンヤテー!!!?
そういえば、チラシにメインらしき登場人物が2人描かれていますね。
歯車は一つじゃ回転しないもの。
どうやらこの作品、スチームパンク世界と現実世界を行き来しながら、3方囲みで歯車がポイントとなりそうですよ。
お楽しみに!