稽古場探訪 No.8 N₂

稽古場探訪
SDN2018稽古場探訪

まさかの「寒いですね!」のご挨拶から始まります。

Micro To Macro の石井テル子です。

寒いですよね! びっくりですね。SDN2018が始まった演フェスの頃はまだ梅雨時やったはず。そこから夏を超え、秋の気配もすっ飛ばし、冬支度が要る気温に。。季節は巡り、参加劇団も後半チームの公演日が目白押し!怒涛の毎週公演ですよ。

11月2週目の週末に本番が迫った「N₂」さんの稽古場を訪問してきましたので、その様子をレポートします!

ロイン機関の丑田くん、ステージタイガーのザキ有馬くんと伺いました。実は先に東洋企画の岸さんも来ていて、「今日の稽古場、人が多い〜!うあ〜い!」とN₂の皆さんからの声が!!はい、大勢でお邪魔しました。

まず、お稽古場に入るとこんな光景が!

石??どうやら海辺のようなイメージですね。

その中で、「よし!やりましょう!」と始まった稽古は、、

なんと2人が同時に喋り出しましたよ!
会話じゃないよ!
自分の身に起こっているであろう日常の出来事や感覚をトツトツと語っている・・・。
もう一回書きますね。
会話せず2人とも自由に(語弊を恐れず言うと)好き勝手に喋ってますよ!!

そうなのです。N₂さんの作品には「台本」というものがなく、役者さんが発する言葉は文字で書かれた台本上の台詞ではないのです。

では何なのか??ということになるのですが、、、あ〜説明がムズい!!

お稽古では、普段の役者さんの生活のこと、「日常」を聞いたり話し合ったりしていて、そこから杉本さんがチョイスした部分を、この舞台の上に乗せている。。といいましょうか、役者さん体内から溢れる吐き出しの小さな幾つかが連なって連なって一つの作品になっていく・・・みたいな作品なんです。

なので、最初から最後までを通した「物語」が、ある訳ではないのです。今、そこで役者どおしの中で起こっていることがぶつかり合ったり、なぜか共鳴しあったり、もしかしたら支え合ったり、、。みたいなことが繰り広げられていくんですよ。

自由に役者二人は喋っているのですが、観ていると・・なぜか同じところで同じ呼吸になったり、全く同じところで張り詰めたような間が生まれたり・・。

「んん?なになに?今の何?」ってなるんですが、そこで生まれてしまっているので仕方ないですね。実に面白いです。なんかね、通常のストーリーのある台本の稽古からは生み出されない不思議な感覚のものが立ち昇っていくんです。

難しくいうと「ポストドラマ」(←できる男ザキ有馬が言うておりました^ – ^)と呼ばれる類の作品になるかと思います。ドラマ観のその先の何か。のようなもの。です。あ〜難しい!!

でも観ている方は一向に難しくないのです。どないなっていくねん。。って言うワクワクでいっぱいなのよ!

演出・杉本さんの中には、こんな風景を見たい。こんな感覚で空間を満たしたい・・と言うビジョンがしっかりあるのですが、それをこうして!と動きでつけてしまうのはなく、役者が動いたその風景を見て「あ、その絵好きかも!」と言うと、役者さんが「そか、なるほど・・」ってその方向になって、「これ取っておきたいですか捨てたいですか?」と役者が聞くと「うん取っておきます」「なるほど了解です、そしたら持ってることにして・・」みたいな会話や実験的動きの中からシーンが立ち上がっていくのです。「一緒にクリエイトしてる感」が凄いです!!

で、この現場で杉本さんと一緒に作品を作っているのが
キャメロン瀬藤謙友さんと鄭婀美さん。

キャメロンさんは今作では役者であり、演出助手も務めています。杉本演出を助けるその助手力が半端なかったです。そして鄭さんも一つのシーンについて色んな意見をバシバシ出されていて、このお三方、まさに今作品を「共有し創造している」人々ですね。

(↑あまりにも素敵な絵やったんでセピア加工してみました)

定かな台詞というものが無くとも見せれるのだなと改めて感じる要素の一つとして、このお二人がとても絵になるお二人だからなのかなとも思いました。二人の立ち姿が美しい。映画のワンシーンのようだぜ・・と思って見てました。

この先どうなるか分からないものも楽しめる感覚とか、でも、密かにこんな流れに向かっているのではないかというベクトルを感じ合う力とか。。おそらく役者さんにはたくさんの力や感性が求められるのかなと思うし、また役者さんどおしや演出家との信頼もすごく必要になってくる作品づくりの現場だなと感じました。

あと、舞台の使い方と本編中のどこかで仕込まれている「仕掛け」が多分あるようなんですが、それらも非常に面白いのではないかと。

稽古帰り「ただ、今日見てもらったもの、本番に全然ないかもですよ!」と笑って言ってしまうこの人達、どこまで最後まで戦う人らなんだーと思いながら、、、本番当日どんなものになっているのか、とても楽しみです!!

普段観る「台本と物語のある作品」とは全然違うものです。一度、こんな演劇作品があるのか。。と知って貰いたいし、ぜひ新しい演劇に触れてみてほしいです。N₂さんの公演は来週末だよ!

SDN2018。。。参加団体の作風の振り幅がすごいぜ!!

N₂ 
書き言葉と話し言葉の物性を表在化する試み
Tab.4『磔柱の梨子』
– Beggars in pear orchard

11月9日(金)15:15/19:15
11月10日(土)11:15/15:15/19:15
11月11日(日)11:15/15:15
上演時間は75分の予定。

⭐️この作品は
日本演出者協会若手演出家コンクール2018の二次審査対象公演にもなっています。

⭐️現在『雲路と氷床/赤裸々』第18回AAF戯曲賞一次審査を通過。