SDN稽古場探訪No.14 劇的ダンスGekidan

稽古場探訪
SDN2018稽古場探訪

ステージタイガーの虎本です。
劇的ダンス Gekidanの『この時代を生きろ』の稽古場を探訪してきました。

まず始めに

ノンバーバル(non-verbal)
[形動]言葉を用いない、または必要としないさま。非言語的な。


そう。劇的ダンスGekidanが行うのはダンス、身体表現。
ノンバーバルなものをバーバル(文字、blog)的に伝えようというのですから、

今回の探訪blogは矛盾に満ちています。

なので、いつもより言葉少なに、ニュアンス多めに綴る事をご容赦ください。

まず稽古の前にアップ。

暗い。

電気を消し、

出演者達がフロアを転がりながら身体を揺らします。

そして本日の稽古。

それぞれ自身で考えたソロパートを披露。

いかがでしょうか?

ダンス…という言葉で、僕たちがぼんやりイメージするモノとは少し違うのではないでしょうか?

身体を使った表現、というのが的確。

電気を消す意味も分かりました。
目の前の身体以外の情報をカットするためなのでしょう。

一人ずつソロを披露しては皆で感想を述べあう。
通常の演劇の稽古場ではあまり聞かない言葉が飛び交います。
『今の集中は何パーセントか?』
『あなたの人生とは何か? 何を見せたいのか?』
『さらけ出す事とは何か?』

ダメだしすらも、感覚的に行われます。

僕も見ながら、しばし言葉を忘れて浸っていました。
僕の仕事は作家。いかに世の中を、自身の想いを、言葉にして表現するかで日々闘っているつもりです。
ストーリー、整合性、5W1H、ロジック、伏線、起承転結…。
でも、そうでない物事の切り取り方がある。

身体表現…というものは、見る者にも言葉を忘れさせ、身体の中に眠る原始的なものを刺激するのだと思いました。
これは素晴らしい、新しい感覚でした。

この情報過多の世界で、言葉を忘れ、身体にのみ着眼し、わき上がる気持ちに寄り添う。

それがこの作品の目指すべき所なのではないでしょうか?

といいながら…

 

普通に喋ってたりします。

部分、ノン•ノンバーバル。

抑圧、拘束、願望、解放…そういった世の中への矛盾、怒り、憤りのようなものが語られます。

 

スペドラは演劇祭ではなく、舞台芸術祭。
劇的ダンスGekidanがいてくれて良かった。
皆様を新しい感覚へ導いてくれるのではないでしょうか?

本当は今回のblog、僕も身体表現で言葉を使わずに表してやろうと思いました。
でもやめました。

僕は僕の闘い方で向き合う。
彼らにしか出来ない闘い方をしている稽古場に、言葉を使う者として向き合ったつもりです。


スマホもSNSも要らない。


言葉を持たぬ若者が、身体で世に何を放つのか、僕は楽しみでしょうがありません。