SDN稽古場探訪No.10 ロイン機関

稽古場探訪
SDN2018稽古場探訪

ステージタイガーの虎本です。
先日、ロイン機関の稽古場を見学させて頂きました。

この日は運良く通し稽古。
しかも公演間近という事もあり、稽古前からよい緊張感が漂っておりました。

僕も緊張していました。

なぜなら

作演出の丑田君って
少し
狂ってるなと思ってるから。


↑虎本に狂人と思われている丑田君(奥の立ってる人)

丑田君は常識をわきまえ、分別もあり、人当たりも凄くいい、いつも一生懸命なナイスな若者です。
が、モノ作りにおいてはズレている、人とは違う価値観を持っている、と感じさせる変態(褒め言葉やからね!)やと思います。
「西成区の狂人」です。
狂っている事を、狂っていると思わず真摯に真剣につきつめられるタイプの作演出家です。

つまりは手強いタイプなのです。

そんな丑田君が『ミュージカル』をやるという。

しかも出演者はミュージカル俳優…というわけでもなく、かなりベテランの手練な俳優陣。

期待と恐怖しかありません。

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果たして稽古は始まりました。


↑主演の武田操美さんと、不思議な生き物を演じる田口哲さん

物語はアリスinワンダーランドinパリ
といった所でしょうか。

日常に一物据えかねた女性が、穴に落ちたら、クセのあるキャラクター達が生きる世界だった…

というお話です。

ただ、

そのクセの強さが常軌を逸しており

場転のしつこさが常軌を逸しており

物語の展開が常軌を逸しています。

収束のさせ方も常軌を逸しています。

ええ、つまり。

何じゃこりゃ!? オモろ!!!

と思っている間に、突然シリアスになり、いつの間にやら終わります。

でも丑田君はそれを狙ってやってない。

それがベストアンサーだと思ってやっている。
僕が不条理だと思っているシーンを、おそらく条理•常識に満ちたものだと思ってやっている。

恐るべき丑田くん。

通し稽古で声を出して笑ったのは久しぶりです。

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ただこの作品、笑えるだけではなく、「いのち」を問うシーンがあります。

ネタバレになるから言いませんが、シリアスなシーンがあります。

そしてそれは、丑田君が西成区という場所で創作を行っている所に起因するものだと思いました。

世間からレッテルを貼られながら懸命に生きる人々の中で、自身の存在意義を探す主人公が、命を問う作品

つまりは

アリスinワンダーランドinパリin西成区

と僕は思った。

ただし世界の軸は何重にもズレている。

そんなズレにズレた世界を、確かな俳優陣がドッシリと演じてくれている。

ああ、オモシロかった。
これに本物の美術や音響照明が入ればどうなるのか。
観て良かった、本番観たいな!
と思えた稽古場探訪でした。